まるで恋人気分のように女の子と接しようブログ:20150728
ぼくの母の実家は伊豆の修善寺にある旅館で、
幼い頃遊びに行くと、
板前さんが家族のために作ってくれる料理を食べさせてくれました。
おいしくて見栄えもキレイに作られたそのまかないの食事は、
ぼくにとって特別なものでした。
いつも楽しみで、強い憧れのようなものを抱いていました。
我が家は、至って普通のサラリーマン家庭。
母は食べることは一流でも、腕はそこそこ。
どちらかというと料理よりも洋裁が好きで、
24時間中ミシンがけをしていることもありました。
でも、シチューやコロッケといった
当時で言えばハイカラなものが好きだった親父のために、
料理教室で習ってきては、一生懸命作ってくれたものです。
決して豊かではない時代に
ぼくは「普通のものを普通に」食べさせてもらったと思っています。
母の愛情がこもった料理と、
祖母の家で食べる特別な料理…
どちらも大切な味の記憶です。
母が作ってくれる料理で大好きだったのが
「なまり節と茄子の焚き合わせ」。
なまり節と茄子を適当に切って、
醤油と生姜で甘辛く焚いたものですが、
これがとびきりご飯に合うんですよね!
最近はなまり節もあまり店頭で見かけなくなり、
ぼくとしてはとても残念です。
もう一つ好きだったものは「おせち料理」。
食べるのはもちろん、
ぼくは作るのを手伝うのが好きでした。
キントンや錦卵を裏ごししたり、豆を煮たりという工程が大好きで、
大晦日も紅白歌合戦を見ながらせっせと手伝うのが常でした。
ぬかみそを混ぜたり、
白菜漬けを手伝ったりするのも好きでしたから、
母もラッキーだったと思います。
母はぼくが料理をしたがると、
台所を解放してくれて、
好きなだけ自由に作らせてくれました。