プレイ前のお風呂も料金に含まれているので楽しもうブログ:20160216
「背中を洗ってくれないか」
と、パパに言われた。
このパパというのは、実は妻のパパである。
わしは一瞬戸惑ったが、
「え?!あっ!はいっ」
と言いながらタオルを構え、パパの背中にあてがった。
初めてパパの背中というものに触れた。
なんか丸っこくて大きくて、何だかゴツゴツしている。
上手に洗ってあげようと思えば思うほどうまくいかない。
タオルがねじれてしまう…
今度はパパがわしの背中を洗ってくれるらしい。
わしは静かにパパに背を向ける。
パパは、なんていうか、力加減を知らない。
すごく力強くて、体についている必要なものまで
洗い流されてしまいそうな感じ。
思わずわしは、身をよじってしまった。
「すまん」パパは申し訳なさそうに、
「ムスコの背中を洗うのは難しいな」と言った…
わしは物心のついたころから、
女手ひとつで育てられてきた。
我が家にパパがいないことを悲しがらなかったのは、
母の育てかたが上手だったからだと思う。
溢れんばかりの愛を注いでくれたので、
わしはとても幸せだった。
とは言え
パパのことを思わなかった訳ではない。
ただ、そのときわしがイメージするものは
どれも好感の持てないものばかりだった。
無口!ガンコ!厳しい!
正直、「パパは怖い」という印象しかなかった。
そんなわしに父ができたのは、
わしが結婚をしたからだ。
妻のパパは、わしにとって不思議な存在だった。
格好なんてつけない。不器用だけどまっすぐ。褒められると照れ隠しする。
大きなお世話なことばかりする…
わしは、パパというものに対する印象が
まるっきり変わった。